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朝の光が差し込む木枠の小窓

朝の窓

海辺の住宅の1階、寝室の東側に、幅40cm、高さ60cmの小さな窓をひとつだけ開けています。朝いちばんの光が入る窓です。工事が終わり、引き渡しまでの約1か月、施主さまのご厚意で、毎朝7時にこの窓を撮影させていただきました。それが「朝の窓」という30枚の連作になりました。

なぜ小さな窓にしたのか

寝室は眠るための部屋なので、大きな窓は必要ありません。一方で、朝に自然と目が覚めるような光は入れたい、というのがご夫婦の希望でした。そこで、ベッドに横になったときに顔に直接光が当たらず、向かいの壁がゆっくり明るくなっていく位置と大きさを探しました。窓の位置は、模型に小さなライトを当てて何度も確かめています。

30日間の記録

毎朝7時、三脚を同じ場所に立てて一枚だけ撮りました。撮影したのは3月の終わりから4月の終わりまで。日の出の時刻が少しずつ早くなるにつれ、7時の光は日ごとに高く、白くなっていきます。

  • 最初の週:光はまだ低く、壁の下のほうを橙色に染める
  • 2週目:雨と曇りが続き、窓の形だけがぼんやり浮かぶ日が多い
  • 最後の週:光は壁の上のほうまで届き、色はほとんど白に近づく

並べてみると、一つの窓が一か月のあいだにこれほど表情を変えるのかと、自分でも驚きました。

写真を住まい手へ

30枚のプリントは、小さな箱に入れて引き渡しの日にお渡ししました。この家で迎えるはじめての朝より前の、誰もいない時間の記録です。設計者と撮影者を一人で兼ねているからこそできる贈りものだと思っています。

竣工した建物の撮影は、引き渡し前のわずかな期間にしかできないこともあります。完成のタイミングで記録を残したい方は、工事中のうちにご相談ください。